はじめ、というタイトルの記事ですが、別にはじめに読む必要はありません。私にとってのはじめ記事というだけなので。

はじめましての方ははじめまして。トヤマ96と申します。長いこと二次創作のオタクをやっています。

何年振りかに一次創作意欲が湧き、ここ数年の二次創作サイト&ブログ&プレイ記録活動で得た知識を生かしてサイトを立ち上げるなどしてみました。

この記事では、このひとり創作企画をし始めるに至った経緯などを綴っていきたいと思います。プロセス語りが好きなので。こういうの読むの好きだぜ!って人はどうぞお読みください。

俺屍にハマった

しょっぱなから何だ創作の話じゃないのかよ!って感じ恐縮ですが、そういう順序なのですいません。

数年前、『俺の屍を越えてゆけ』というゲームにドハマりしました。ご存じない方向けに軽く説明しますと、2年弱で死ぬ呪いをかけられた一族が子孫を作りながら呪いの元凶の打倒を目指して戦うゲームです。プレイキャラクターとなる一族は顔やカラーリング・ステータスや簡易プロフィールなどがランダムで決まります。自分で外見パーツ選んだりはできませんが、キャラメイク系のゲームと近いものですね。

自分はこのゲームを遊んだり記録をつけたりしながら、戦いぶりや成長過程なども含めて見えてくるキャラクター性を補完創作マンガなどに落とし込むという楽しみ方をしておりました。
ゲーム側に用意された共通のキャラクターではなく、自分のデータにしかいないキャラクターで戦い、その人生の詳細を妄想したり、そういう楽しみ方もできるやつです。この手のゲームにわたくし生まれて初めてハマりましてですね……

ランダム故に先の見えないドキドキ、プレイを進めることでそのキャラクターを知っていけるワクワク、迫りくる死へのハラハラ……。この先の展開がどうなるか分からないのに絶対にネタバレを食らう懸念が無いのも良いですね。自分で進行ペースを決められるし、自分のプレイの範囲内であれば絶対に他者からの干渉を受けないわけです。

そういうコンテンツの安全性にこう、非常に……心の安寧を感じていました。ハマったコンテンツにおいて、大人の事情で発生するノットフォーミーな続編とかで心をバキバキにされがちなオタク人生だったので……

自分だけの世界が欲しすぎる

こういう『ランダム性によって先が分からない・基本自分のペースで楽しめる・外界の干渉を受けないキャラコンテンツ』というと、それこそキャラメイク系のコンシューマゲームなど様々あるかと思います。俺屍というエンドコンテンツを周回することでも味わえます(俺屍は何周してもよい)。

これ系ゲームはものすごく楽しいしこれからも遊んでいきたいのですが、別件の感覚として『これは借り物の世界である』という気持ちがありました。お借りしている世界・お借りしているキャラ要素などはやはり『誰かに提供してもらっているもの』であり、他のファンの方々と共有している世界であり、色々気を使うところもあるし、なんというかもっと自由で……自分が全権を有している世界も欲しいな……と。

2022年初めに創作占いというものを受けてみたのですが(レポート )、その先生にもそのようなことを言っていただきました。

「人生のテーマ(創作活動の方向性・自己表現のテーマ)」は「世界について知っていく
「未知の世界を知りたい」「既知の世界を詳細を知りたい」
「見えないものを見たい」「見えてるものをもっとよく見たい」

オリジナルで向いているものは、とにかく”自分が”「これを見てみたい!」「こんなの読んでみたい!」に忠実になれるもの

これまで描いてきたゲームの脳内補完妄想創作を見ていただいた上でのこの分析なので、実感がものすごかったです。私、世界が知りたいんじゃん。そしてオリジナルやるならそういうのがいいんじゃん、と。

※創作占い・水煮先生…提出した創作物を読み込んだ上で、占星術と掛け合わせた鑑定をしてくれる占い師です。創作物分析などの言語化が非常に巧み。Twitterやnoteでよくレポが上がっています。
ホシカン|創作活動のための星占いブログ


それまでは漠然と『最近二次創作ばっかりだけど、一次創作もやりたいんだよなあ』と思っていたんですが、実際に作り始めるには至っていませんでした。動機が漠然としていたので。

しかし諸々を経て最近になってやっと分かりました。自分はキャラや物語が描きたい・ヘキを表現したいというより、『世界が欲しい』んだなあと。自分が気兼ねなくあと腐れなく好き放題に遊べる、©Toyama96な世界が欲しいのだとね。

世界が欲しい、ここだけ切り取ると魔王ムーブみたいだ。

ランダム引き×世界開拓

自分のオリジナル創作のコンセプトがこのように決まりました。
コンテンツを組み立てていくにあたって和風・人外・マンガなど色々な要素が出てくることになりますが、あくまで核になる部分はこれですね。ランダム引きによる未知を楽しむことと、世界を開拓して知っていくこと。これがやりたい。これが一番やりたい。

キャラクター作りと既存創作物のインスパイアについて

というわけでじゃあまず何から手を付けてみようか……となり、とりあえずキャラを2人ほど作ってみることにしました。世界、好きだけどキャラオタクで関係性オタクでもあるので。人格が二つあれば物語が生まれ、その視点で世界を見ることが出来ると思った。



ランダム要素で創造するキャラクター…というと、やはり最初に思い浮かぶのはTRPGでした。自分は何度かしか遊んだことがないのですが。(というかGMやることの方が多い)

TRPGは性質上、同じ世界を共有し複数人とコミュニケーションを取って遊ぶものなので(一人でできるものもありますが)、先述した『一人でマイペースにやりたい』『自分だけの世界が欲しい』の条件的に外れる遊びではありますが、要素としてはかなり欲しいものが詰まっています。キャラ作成にも進行にもランダム性が関わってきますからね。

じゃあ、とりあえず一旦既存のTRPGシステムのキャラ作成手順を借りてやってみようかと、そういう感じでキャラ作りをスタートしました。まだ何もかも決まってないフワフワした時期だったので。試しにね!これがすごいいい感じに捗ったんですよね。ここで生まれたのが≪橋渡りのばけいづこ≫の主人公・井正沙華です。(二人のキャラメイク経緯については別記事で)



この時試しにお借りしたシステムはエモクロアTRPG なんですが、その後ちゃんとした創作企画として進めていくぞ、となった段階でキャラ作り用のシステムがそのままだとアレだな…と思い色々と改造しています。


  • エモクロアのステータスは6段階(六面ダイスで決定)
    →10段階に変更(多人数で遊ぶゲームなら6段階で簡易化した方が良いのだろうが、一人で遊ぶならもう少し細かくても掘り下げられるな、と思ったので)
  • エモクロアのキャラメイクでは『表/裏/ルーツ』の三種の感情を選ぶ
    →『メインポジティブ~フラット感情ネガティブ感情最も重要な対象への感情』の4種に変更。
    (これも個人で扱うなら多少細かくてもいけそう&関係性をこの時点で盛り込んでしまえばかなり妄想が捗るため)

一応「個人で遊ぶなら多少細分化されてても大丈夫」「これは自分個人がめっちゃテンション上がるやつ」「カラーリングをランダムに引く、っていう要素も入れちゃおう」など、個人でやるというコンセプトに沿った改造を施した…つもりです。

ただまあ、それでも相当名残があるので『これ、いいのか…?』ってなる気持ちはあるんですが……。とはいえエモクロアTRPGにしても完全な独自性があるわけではなく、他のシステムにある要素をかなりインスパイア&改変しているような感じのものではあるっぽいので、創作って……そういう(二次的に広がっていく)ものなんじゃないかな!と自分内言い訳をしています。笑

自分だけの完全オリジナルシステムを作るのはまあ不可能だと思いますしね…。世の中の創作物は色んなものの影響をこう、いっぱい受けて、なんかそういうものだ…!そういうことにしておこう!そういうことにしてください!まあ商業でもなく大したマネタイズもしない個人の楽しみ範囲の創作だしね!!ね!!(正当化に必死)

世界のベース設定

ダイスを振ってぼんやりと『二人の人格』を作ったので、それにしっかりとした形を与えるために世界観のベースを設定しよう、となりました。顔も服装も名前も、世界観の方向性が決まっていないと確定できないですしね。
そして当然ですが創作コンセプトとして『世界』はかなり重要な要素でもあります。極力自分がテンション上がるようなベース設定にしたいところ。

色んなフィクション作品に触れてきましたが、世界設定に対する自分のテンションゲージはこんな感じ


  • 現実・現代←ふーん…
  • ちょっと不思議現代←まあ…そこそこに…
  • 現実ベースだけど遙か遠い未来←ファンタジーの域なのでかなり好き
  • 西洋中世風ファンタジー←普通かなあ
  • 和風ファンタジー←西洋中世よりは好きかも
  • 歴史もの←割と楽しめるけど実在舞台って扱いむずいよね
  • 和風と欧米風が混ざり始めるくらいの時期の歴史もの←けっこうすき
  • 和風だけどその場のノリで色んな文化のネタやノリを混ぜ込んだ変な世界←大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好きサイコーサイコーサイコーサイコー!!!!!!!!

はい。というわけで『和風だけどその場のノリで色んな文化のネタやノリを混ぜ込んだ変な世界』でいくことにしました。私が好きな世界観の作品は大江戸ロケット・天晴爛漫・俺の屍を越えてゆけ・大神・陰陽大戦記などとなっております。和洋の交わりやトンチキ時代考証無視なんちゃって歴史舞台もの、いいですよね。平然とその時代に存在しない食べ物やアイテムが出てきたり、横文字使っちゃったりしてさ。

最初は江戸+平安ベースにしたトンチキ和風世界というコンセプトで考えていたんですが、世界設定を構築していく段階でその辺の色は大分消滅したので割愛します。(八百八郷という名前の元ネタが江戸だったり、土地を東西南北で考えるのは平安の名残がありますが)

どうせなら人じゃない種族がいた方が楽しいよねって感じで妖怪類の存在を含めて考えていたんですが、最初の段階では主要素ではなかったし『化妖』という設定もありませんでした。

入れ物の箱を作りたい

ランダム引き×世界開拓というコンセプトが決まり、キャラクターができ、世界設定のベースができたので、物語(マンガ)も作っていきたいな……という風に広げていくと、行き着くのは『それをまとめておくための箱=サイトは必須だな』というところですね。コンセプト先行の創作“企画”になるのでまとめて参照できる環境が無いと意味不明なものになってしまう。間違いなく

例えばですが、『マンガや小説を作りたい』が先行する創作物であれば入れ物の箱って別に無くても良いとは思うんですよ。マンガや小説という1単位が核になり、それだけで成立しますから。それをSNSにアップしたりマンガ投稿サイトに公開したりということだけで発表形態は不足ありません。

だけど私のやりたい創作物においてマンガや物語というのは枝葉の末端のようなものなんですよね。コンセプトややりたいことありきの先にあるものなので、あまり単体では成立しないというか、その見せ方は自分のやりたいことではないな…と。だから必要なんですよね!枝葉を取り付けるための幹となるサイトが

というわけで『サイトを作る』は必須タスクとしてスタートしています。コンセプトや世界設定やキャラクターや物語を全部まとめて、どこから見ても良いようなサイト作り!自分がやりたいこと的にはマジで必須!!拠点!土台!ベース!そういうわけなので創造コストは無茶苦茶重かったです!笑

構想開始が2022年1月、このサイトを公開できるまでに情報や素材を揃えられたのが2023年2月ですからね。めっちゃかかっとる…。1年かけて『完成品』を作ったわけではなく『拡張していくためのベース基地』扱いなのホンマか?ホンマです。 まあ1年ずっとこの作業やってたわけではないんですけどね。大好きなソシャゲのおくりびと活動に数ヶ月使ったしゲームもしてたし。

まとめ


  • 二次創作のオタク、俺屍にハマる。ランダム要素を絡めながら自分のペースで情報を摂取する歓びを識った。
  • 「オリジナルやりたいけど何やればいいかわからんな~」というふわふわ状態だったが、『お前は世界を知っていきたいオタクなんだよ』という分析を受ける。
  • ≪ランダム引き×世界開拓≫というコンセプトで創作、やろう!となる。
  • ためしに既存TRPGシステムのキャラメイク手順を借りてキャラを作ってみた。いい感じにアガるキャラが作れたので本格的に企画がスタート。
  • 既存TRPGのキャラメイク手順そのままだとちょっとアレなので色々改造して独自性を出そうとする(出せたかはともかく)。
  • ざっくりと好みの世界設定ベースを設置した。
  • コンセプト先行創作なので諸々をまとめておくための箱(サイト)を作成

そういう経緯でようやっとサイトを公開して良い状態まで持ってくることができました。
キャラや世界設定・ランダムシステム改造などに相当紆余曲折あったのですが、全部この記事内に詰め込むと無限になってしまうので一旦割愛。他の記事で話したい。プロセスを語るのがとにかく好きなので。か、か、語りたくてたまらねえんだ……でも不適切かつ求められてない場でやると隙あらば自分語りになっちまう…。だからオレ・フィールドたる自宅サイトが必要なんですね……見たい人だけが見れる場所で…穏やかに……。

おまけ:やりたいことや優先度のメモ

最後に、現時点で考えている『やりたいこと』『こうしていけるといいね』的なことを書き連ねておこうと思います。あくまでやりたいなあ程度のことなので、この通りにできるかは分かりません。指標です。

優先度高(優先して達成したいこと)

制作関連

このサイトをベースに、キャラクターを通じて創作世界を開拓していく。
ゆるゆると各コンテンツを充実させる。とりあえずは『ばけいづこ』であちこち旅する

自分とリソース(時間やお金)

無理せずゆるく楽しむ。いつでも創作できて、いつでも一時停止・再開できるような土壌にしておく。ゲームしたくなったらゲームする。

第三者にかかわるもの

趣味の自主制作なので他者の反応依存にはしない。基本はサイト内でひっそり楽しむことを主にし、ガツガツはしない(これまで通りともいう)
ただ、興味ある人には気付かれたいのでうまいことやりたい(できるかはわからない)

サブ目標(こんなこともできたらいいなあというもの)

制作関連

『ばけいづこ』以外のシリーズも増やしていきたい。
決まった土地の範囲内で展開される完結短編や、過去の掘り下げ・キャラだけ考えて並べるだけのタイトルなど、同世界観の中で自由に枝を生やしていきたい。この世界の学校モノとかもやりたい。もっとバチバチにバトルできるタイトルとかも欲しい。(思いついたら)
畳むための創作ではないので、風呂敷はいくら広げてもよい。
あと創作キャラ増えたら野球したい

印刷物にできたら嬉しい(けど今のところその予定は無いので、そういう気分になるまではオールWEBで完結させておく)
グッズとか自分が欲しくなったら作る

自分とリソース(時間やお金)

自分だけの世界持てた!やったぁ!と思えるようになりたい
ゆるく細く長くやりたい。

第三者にかかわるもの

音作るノウハウが無いのでいつかイメージBGMとかは依頼してみたい。自分にできない領域の技術を他者に委託して楽しむ、ということはやってみたい。