当創作で一番最初に作ったキャラ2人のメイキング記録です。企画立ち上げや練り段階と密接に関わっているキャラクターの記録なので、ことはじめ記事を読んでからの方が分かりやすいかも。(この記事単体でも読めるとは思います)
てさぐりキャラメイク記録、はーじまーるよー!
ためしにダイス振ってみた
「オリジナル創作、やりたいかもしれない…」と思った段階でとりあえずキャラクターを2人作ってみることにしました。二つの人格が関わり合えばそれだけで物語が生まれるし、世界が広がると思ったので。
まだちゃんとした創作企画として始動するかも分からなかったので、お試しとして既存のTRPGシステム(エモクロアTRPG)のキャラメイク手順を流用しています。
(この辺りの詳しい経緯はことはじめ記事参照)
エモクロアTRPG はWEB上の公式ツールで簡単に基礎ステータスなどのランダム情報を生成できるんですよね。キャラメイク段階ではゲーム特有の特殊な概念もほぼ無いですし、オフレコのつもりのお試しダイスにはうってつけでした。
…まあ本当に軽い気持ちで試しちゃったものを今の今まで引き継いじゃった結果、現在謎に言い訳がましいことを書きながら経緯説明することになっているんですが。すいません、すいません。手探り初期段階がアレですいません。エモクロアTRPGさん、ありがとうございます。
一番はじめは『主人公(仮)』『ヒロイン(仮)』として引いています。これが一発振りデータ。後々ランダムルールを整備したりキャラ情報を固めていく段階で変更した部分色々ありますが、ベースはほぼ同じですね。
『疑念』でインテリステータスの主人公(仮)、『好奇心』でかなり肉体派のヒロイン(仮)……もうね、もうね、これでしょ……としか言いようがないくらい正反対そうでブチアガっちゃいましたよね。もう最初にこれを引けたから当創作企画が本格始動するに至ったと言っても過言ではないです。
キャラ設定を考える~ヒロイン(仮)編~
余談ですが、自分の扱うヒロインは『主人公にとって最も重要な人物』という定義を採用しています。性別や関係性の種類などは特に縛っていません。恋人でも友人でもラスボスでも家族でもなんでもヒロインになり得ますが、私が楽しくなりたいので私の好みの主人公ヒロイン像には寄っていると思います。
なんとなくヒロイン(仮)(のちの沙華)の設定を先に思いついたので、こちらを先に作っていくことにしました。
後々『ヒロイン』というよりは『第二主人公』のような扱いになっていくんですが、この時点では『ヒロイン』として作っていってます。
表:好奇心
裏:無我
ルーツ:諦観
まずキャラ作りの最初のフックになる3つの感情ワード。
後々ルールを整備して当創作では4つの感情キーワードを引くように変更していますが、当時はお試しでエモクロアを使っているのでエモクロアの記述で振り返ります。
『無我・諦観』を見て、最初に思ったのは「なんかそういう神様みたいだな」でしたね。根っこに諦め※があり、しかし好奇心旺盛…となると、人間面白!系の人外っぽい。
※諦観、『本質を見極める』的な意味と『あきらめ』の意味があるけど、(傷)なので諦めの方で良いのかな。どっちにしろ『悟り』のニュアンスはあるっぽい
ただ、ここで露骨に自分の好みを発動させます。「超越した神的な存在より人間の方が好みだな…ヒロインポジションなら猶更……」というわけで己のヘキに従い、この感情ワードを使って未成年の若者を仕立てていくことに。
そういう流れで神のような存在として祀り上げられている若者というベースの設定ができました。
感情:無我 / 知力:1
無我を『我が無い』として扱い(これも辞書意味的には間違いなんですが、創作的に面白い方が良いなと)最低ランクの知力と合わせて『記憶の神として人体改造を受け、信者の記憶情報を頭に詰め込まれている(自分自身の記憶は無い)』という設定を思いつきました。大量記憶の埋め込みで脳の容量をメチャクチャ食っているから知力が低い、という解釈です。
そうなると好奇心とも繋げやすいですよね。自分を知らない→知りたい!ということだろうと。「詰め込まれた記憶ではなく、自分で見聞きしたものが知りたい!」ってキャラなんだろうな~と。もうこの辺りは今の沙華と相違ない設定ですね。
身体能力が高いのは記憶の器として丈夫でないといけないから・自分が無いので無性別・自分が無いので一人称や口調がブレる…あたりの設定もこの段階で出ていました。沙華という名前も早い段階で決まってたかなと。
沙華は本当に初期から設定がほぼ変わってないんですよね。そう、沙華の方は。
キャラ設定を考える~主人公(仮)編~
主人公(仮)(のちの井正)なんですが、現在とは全然設定が違います。決定稿では人外設定なのですが、初期設定では普通の人間でした。なのでビジュアルとかが極めてヒト寄りなんですねえ。
以下がざっくりとした初期設定
- 都を裏から守護する『妖使い』の一族の少年。
- 数年前に管理下の妖たちが大暴走、一族郎党皆殺しの惨劇が起きる。唯一の生き残り
- 現在は若き当主として稼業(規模縮小はしているが)を引き継ぎ、大人相手に社交などもしている。
- 現在は一族再興の為に取り組み中 -当時のメモより
もうこの時点で「誰?」ってくらい現設定と違います。妖使いって何?(現在は無い設定)
疑念→信頼できる人間がいない、天涯孤独
庇護→都を守護する一族、という設定に
狂気→一族皆殺しの原因になった妖を使役して仕事してる、ちょっと狂った状況
↑こういう発想でした。最初に考えただけあって感情キーワードとの整合性は今より取れている気もする。この感情キーワード自体最終設定では入れ替えたりしちゃってます。
設定としては全然悪くないと思うんですけど、何故大幅に設定が変わり、人外設定化までしてしまったかというとですね・・・・・・・・なんか話が上手く作れなかったからですね……。
この辺りの経緯は気が向いたら語ります。長くなっちゃうからね!
ちなみに性格設定はほぼ変わっていません。
- 地頭良く、非常に賢い。
- 疑り深い、基本的に他人を信用していない。
- 外面は良いが、その分身内に対しては刺々しい態度。
- 理想主義、完璧主義的。理性と自立を重視する気質。 -当時のメモより
刺々しいところは最初からずっと共通ですね。
- 頭が固い上にトラウマ持ちでもあるため、ツボを突かれると非常に脆く崩れやすい(精神:1) -当時のメモより
↑ただ、最低ランクの精神値を反映したこの設定は消えました。弱メンタル、嫌いじゃないんだけどこれも設定を組み替えていく段階で合わなくなってしまって。
あと初期設定から変わっていないのは『煙を扱う能力者』という点ですね。初期設定では能力を使うための小道具としてキセルを用意していました。井正をヒトではなく化妖に設定チェンジした段階でそこが引き継がれ、『煙の化妖』になった感じです。
設定変わってる変わってると言ってもこの記事だけ見るとなんのこっちゃという感じかと思うので、気になる方は現設定をまとめているキャラページをサラっと見てみてください。全然違う設定が書いてあるので。笑
カラーリングくじ引きからビジュアルを考えよう
ある程度キャラ設定情報ができたので、ここからはビジュアルを生成していきます。ビジュアルもせっかくだから何かランダム要素を使って作っていきたいな!!
ということでこちら。有名な配色本です。そう、買ったはいいもののイマイチ生かす機会が無いことでお馴染み(トヤマ調べ)の配色デザイン手帖シリーズ!本当に買うだけ買って持ち腐れ化していたので、ここで使ってみることにしました。
3冊には合計345種類の配色パターンが載っています。更に、各配色ページにはモチーフとなったモノや場所や文化についての解説もあるんですよね。これ、キャラデザアイデアのフックに使えるんじゃないか…?ということです。早速くじ引きしてみましょう。
以下、書籍の一部ページ写真を引用しています。引用ルールには則っているつもりですが、写真付きで思いっきり引用するのは今回だけの予定
主人公(仮)
桜井 輝子(2020)『配色アイデア手帖 世界を彩る色と文化』SB Creative
主人公(仮)の配色イメージはこれ。世界を彩る色と文化 No.116 ≪七つの海≫
青い。めちゃくちゃ青い!この配色を利用して…
こういうデザインになりました。全体的に青いけど髪色は砂浜の色です。白と砂色のツートンがちょっと波打ち際っぽくて良いんじゃないだろうか。インナーカラーの青色も含めて髪の毛で海を表現出来てる気がします。彼が長髪キャラなのは多分この辺の兼ね合いですね。長い方が映えるから!…だったと思います。
顔の作りはかなり整いめに。これは前項のパラメータで魅力値が高かったためですね。性格はそんなに良くないので、おそらく風貌が魅力的に映りやすいのだろうと。
井正が水属性の海キャラか?っていうと非常に微妙なところではありますが。マンガの最初は海を渡ってやってくるので、若干ですがこの配色キーワードの名残がありますね。
ヒロイン(仮)
桜井 輝子(2018)『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』SB Creative
ヒロイン(仮)のカラーリングくじ引きはこちら。日本の美しい色と言葉 No.047 ≪秋分≫です。
日本編なので非常に世界観と親和性が高そうでいいですね。
そして出来上がったデザインがこちらになります。色全然違うじゃん!
はい。配色本掲載の色は左上の赤色のみで、それ以外はガン無視してしまいました。じゃあ何の要素を拾ったんだよ?というと、この配色ページに掲載されていたヒガンバナの写真ですね。色はほぼ無視してヒガンバナモチーフ一点張りでデザインしちゃいました。ヘヘ…
先述の通り『めちゃめちゃ沢山の人間の記憶を持っている』というキャラ設定のアイデアが先にあったので、『めちゃめちゃ沢山の異名があるヒガンバナ』との親和性が異様に高かった。良い引き~~!
結果ヒガンバナ一点張りになりました。あとキャラ的にもあんまり色数多くない方が似合いそうでしたしね。
配色本の色を拾いつつ、主人公(仮)には黒・ヒロイン(仮)には白をベースに。
性格は対照的だし、色は青黒×赤白だし、ランダム引きで作っていったにも関わらず対比オタクが組んだとしか思えないキャラ造形が出来上がっていきました。た、たのしい……
ちなみにデザインについては後程若干等身を下げて装飾を簡略化しています。微調整程度ではありますが。
これはマンガにした時の作画コストや描きやすさ重視ですね。装飾は当然少ない方が描きやすいですし(それでも相当ヒラジャラしてるけどこれは私の趣味なのでOK)、基本等身はある程度下げておいた方が作画崩れを予防できると思ったので。致命的に下手なんですよ私 面長美男子描くのが
それと、等身を下げる段階で眉毛を太くしました。超ロン毛なので等身を下げると中性的・女性的な印象になっちゃったんですよね。私がイメージする方向性として彼はそういう属性じゃなかったので、眉毛の力で顔面を調整しました。
太い眉毛はどちらかというと男性的な記号ですし、意志の強さや目力の強さにも繋がるので我ながら良い判断だと思っています。地味にかなりお気に入りパーツ。太眉だけど毛の色と肌の色が似ているためそこまで目立たないのもミソ。黒い毛やオールバックの太眉だと同じ太さでもだいぶ印象変わりそうですよね。
沙華が眉なしなのでそことの対比もベネ
名前決め
おおまかな設定と外見イメージができたので、最後に名前付けです。
これまでは色々とランダムで引いてきましたが、名前は自分で考えました。ここまで要素が揃ったなら名前は自分で考えた方が身が入るだろうと。(何も思いつかない場合はまたランダムに頼るのもアリですが)
沙華についてはもう配色くじ引きでヒガンバナを引いた時点で決まったようなものでしたね。先述の通りヒガンバナには数多の異名がありますが、その中でもベーシックな『曼殊沙華』から2文字拝借しました。
沙華(シャゲ)、普通に読めなくはないしなんとなく名前っぽい字面だけど名前としては不思議な響きで、我ながらすごく合っているな…と思います。
ただ、曼殊沙華ってサンスクリット語由来だったり仏教的な言葉なので、世界観と合わせるとどうだろう…?って気はするんですが、まあトンチキ和風世界だし響き優先で後でいくらでもこじつけられようと判断したのでアリにしました。アリです。
主人公(仮)くんの名前は『一丁川 井正(いっちょうがわ いげただ)』に決まりました。
これは何かというとですね、私がいつか俺屍プレイで使うかもしれないと思ってメモしてた名前リストの中にあったものです。俺屍の影が濃い!(ことはじめ記事参照)
一丁川井正、この文字列なんやねんと言うと『棒線だけで構成される漢字を一画ずつ増やしていった名前』です。もう本当にそれ以上の意味とか無いので一種のネタネームというか言葉遊びみたいな名前なんですが、全体的に直線でカクカクしてるのでキャラの偏屈さには合ってる気がします。
ただ、初期設定だと名家の出設定だったので苗字入りでもしっくりくるんですが、最終的にはちょっと変な響きになっちゃった気はしますね。一応メタではなくキャラ側事情の理由はこじつけて考えはしたんですが。そのうち機があればマンガとかに落とし込むかもしれないし込まないかもしれない……
名前の由来は本当に上記のような図形的なものでしかないんですが、配色くじ引きで『海』を引いて名前が『井』なのはちょっと良いですよね。“井の中の蛙大海を知らず”っぽくて。世界を知っていこうぜという役目を担うキャラにはピッタリかもしれない。全部後付けでこじつけてるだけですが。
ランダムや偶発的要素などをこじつけるのが得意です。多少強引でよく分からなくなっても得意なんだと自負することで己を維持しています。これからも強引にこじつけていきたいです。
井の字は♯にも似てますし、記号的にも色々扱いやすくて良いなと今は思っています。
以上、当創作で最初に作った2人のキャラクターの手探り変遷記録でした。
これはあくまでベース設定で、この後マンガにして物語を作るに際して井正の設定がメチャクチャ変わったり人外設定化したりするわけですが、それについてもんどりうってる様はマンガのあとがき振り返りで記録しようと思います。振り返り記録楽しすぎる。お読みいただきありがとうございました。